雇用最適化コンサルティング

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問題社員対策の基本スキーム

問題社員と呼ばれる存在が、人事に携わる人々の頭を悩ませています。

 

・職場で協調性が無く、業務命令にも従わない社員

・仕事もロクにしないのに、権利ばかり主張するオレ様社員

・体調不良で休みがちな、遅刻や欠勤を繰り返すうつ病社員

・真面目だが能力が著しく劣り、仕事ができないロー・パフォーマー社員

・頭の回転が早く、仕事はできるが、部下にストレスを与えるパワハラ管理職

 

などなど挙げればきりがありませんが、全てを一括りにすることで原因の追究から目を背けていても、決して良い方向に向かっていくことはありません。

 

当事務所では《問題社員対策》と銘打ちながらも、問題を細分化し、ご相談いただいた時点で置かれている状況に応じて《予防》できることから手をつけ、それぞれの問題社員をカテゴリー分けして《対処》しつつ、更には、もしも発生した場合のリスク管理として《対策》を講じていくという3つの観点に分けて、解決策を講じていきます。


問題社員を作らない

言うまでも無く、問題社員を作らないことが一番なので、最初に《予防》という観点から考えてみましょう。

 

まず「人事の担当者が面接時に見極める」ことで、そういった問題社員の流入を防ぐというのが一つ目の方法ですが、実際のところ数回面接しただけでそういった因子を完全に見極めるというのは、理想論かもしれません。

 

ではどうするのか。

 

二つ目の方法として「入社してから問題社員化してしまうのを防ぐ」ことが挙げられます。そしてこれが、一番労力も少なく、コストも安く済むので、現実的には最善の方法と言えるでしょう
 

こう言った問題の本質的な原因は、当該社員の感情から沸き起こったものです。つまり、まずは上下のコミュニケーション不足を解消し、更には会社に対する不満を共有するのではなく、生産性のあがるような横の繋がりが持てる環境を構築しておくことです。

 

また、これらは【人事評価のしくみづくり】に連動しておりますので、そちらもご参照ください。そして、重ねて申し上げますが、当所が最も重要視するのは常に根っこの部分に潜む問題の発見・解決です。

<解雇>は最終の最終の最終手段

そうは言っても、経営者サイドの方であれば、厄介な問題社員を前にして、三下り半を叩きつけたいという思いにかられたことが過去に一度はあるというのが本音だと思います。 


また、仮にそれを実行に移すことを思いとどまっているとしても、
そのような状態は、遅かれ早かれ表面化するか、もしくは既に発生している《対処》の段階と言えます。

  

ここからは、法令と実務の違い、本音と建前を織り交ぜながら更に細分化してみましょう。
 
 

まず、「実は既に解雇してしまい、当該社員が労基署や労働組合に駆けこんでしまった」などという緊急性がある場合は大変ですね。実際のんびりこのページを読んでる状況ではないかもしれませんが、まずは落ち着いて【経営者側リスクマネジメント】をご参照ください。

 

次に、幸いにして事態はそこまで進行していないが、我慢も限界であるという場合です。

そんな時、当所では、まず当該社員について細かく検証し、下記の中から最も良い方法を選択して、原則として話し合いによる解決ができるよう、社員との面談にも立会いながらサポートをしていきます。

 

⑴  契約期間の満了

必然的に雇用契約が終了(退職)することです。

有期の契約社員が雇用期間満了によって退職する場合や、定年による退職などもこれにあたりますが、雇用止めにも気を付けなければならない点がいくつかあります。

 

  合意退職

会社と社員が、互いに納得して退職することです。

合意退職にも2種類あり、社員が退職願を提出して会社が承認する場合と、反対に会社が退職勧奨をして退職する場合があります。

 

  解雇

会社から一方的に、退職を通知することです。

まず、労働基準法20条によれば、

 

原則として30日前に予告するか、30日分の解雇予告手当を支払うことで即時に解雇することができる』―抜粋

 

とありますが、その一方で、労働契約法16条には

 

❝解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする

 

との定めもあり、理由付けが強引なまま踏み切り、解雇した社員が実際裁判所に駆けこんだ場合には「多大な時間と費用を垂れ流した結果、無効となる」ケースもありうるというリスクを把握しておかなければなりません。


また、2の合意退職(退職勧奨)と3の解雇の違いも紛らわしく、この認識の違いがトラブルに発展しやすいので気を付ける必要があります。

 

上記の中で共通して言えるのは、指導して改善の機会を与えることが重要つまり「段階を踏む」ことです。

そして、まずはアクションを起こす前にご相談いただくことを第一とした上で、問題の大小に関わらず段階を踏む必要性から、どんな場合も解決までに時間がかかることをご理解いただきたいと思います。 

労使トラブルを未然に防ぐために

《対策》というのは、トラブルを未然に防ぐべく講じるのが理想なのですが、実際は、ある程度のトラブルがあり、二度と同じことが起こらないようにと手を付けることが多いのかもしれません。

 

例えば、労使トラブルが起きた際に一番重要なのは就業規則ですが、現実としては、トラブルが起きない限り就業規則なんて誰も見ないし、気にも留めていないという会社も多いと思います。

そして、普段から就業規則をくまなくチェックし、重箱の隅をつつくようなことを言ってくる社員は、もともと暇を持て余している問題社員であるとも言えます。

 

ただ解雇・懲戒処分をする際にも就業規則を根拠とするため「就業規則の整備をしておくこと」そして「各組織の労務管理について問題がないかを確認し、解決することによって、社員との信頼関係を作っておくことは、トラブルを未然に防ぐための【経営者側リスクマネジメント】としては必須です。

 

このように、問題社員対策とはひと括りにできず、解決の方法も様々ですが、それに伴う精神的疲労、訴訟の不安、無駄な給料と多岐にわたる経営者の負担は共通しておりますので、それらが少しでも軽くなるように、辛抱強く継続してサポート致します。 

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